よくある質問

 

+ なぜ、「うに」はあのような独特な味をしているのですか?

研究によると、「うに」の風味と色はウニが食べたものに依存すると言われています。 日本のコンブのような「旨味成分」を豊富に含んだ海藻をよく食べるウニは、最高の味を生み出し、「高級ウニ」として市場で高く評価されます。 弊社が飼料原料としてコンブやワカメにこだわる理由は、このためです。 一方、一般的な海藻や、貝類、魚などの動物性タンパク質を食べて育ったウニは、味が劣る傾向にあります。

+ 飼料は何を使っていますか?

弊社独自の飼料は、最適な成長、色、風味を実現するため、持続可能な方法で収穫された養殖もしくは天然の食用コンブやワカメの切れ端を使っています。 昆布には、最高級の「旨味」がぎゅっと詰まっており、また、風味豊かなアミノ酸が含まれているため、ウニに独特の風味を与えます。 100%天然由来の原料のみを使用し、動物成分を一切含まない、人にも地球にも安全な飼料を使っています。

+ 私の住む地域の海には生息していない種のコンブが原料とされている餌を使うことで、地元の海への外来種導入などのリスクはありますか?

生産過程において、海藻種の活性胞子を確実に不活性化するため飼料を加熱処理しています。そのため、弊社の飼料が望ましくない種を輸送するリスクはありません。 残念なことに、すべての飼料が弊社と同様に作られているわけではありません。加熱処理されていないソフトタイプの飼料は、他地域で導入されるべきではない胞子や卵、他の生物などを運ぶ可能性があります。

+ 飼料には、抗生物質や成長ホルモンは含まれていますか?

ご安心ください。弊社では、成長ホルモンや抗生物質を一切使用していない、人にも地球にも安全な飼料でウニを育てています。

+ 藻場を再生させるための事業が、飼料に海藻を使うのはなぜでしょうか?

弊社は、藻場が生い茂る厳選された地域、もしくは消費に特化したコンブを生産している海藻養殖場からのコンブを使っています。ウニの増加や異常気象、海洋汚染などにより藻場がなくなりつつある地域からの原料は使用しておりません。それは、弊社が取り組んでいることに反しているからです。

+ 多くの養殖飼料は、環境悪化や乱獲にそれぞれつながる大豆や魚粉、魚油を含んでいます。貴社飼料には、これらの材料が含まれていますか?

いいえ。大豆や魚粉、魚油は養殖飼料によく使われます。これらは動物が成長するために必要なタンパク源であり、すでに実証された費用対効果の高い原材料だからです。 弊社においては、環境負荷の少ないコンブを原料とする飼料を使うことで、ウニの風味や成長速度を最適なレベルに調整できたため、大豆や魚粉、魚油は使用しておりません。

+ ウニの畜養が、通常の水産養殖と違うのはどのような点でしょうか?

水産養殖は、一般に、卵からふ化させ、収穫できる大きさまで育てることを指します。 一方、ウニの畜養は、すでに自然界である程度の大きさまで殻が成長したウニを採取し、消費用に肥育します。

+ 空のウニから身の詰まったウニになるまで、どれくらいかかりますか?

念のため、約10週間とお伝えしています。 ただ、適切な種類と適切な水温が整えば、4週間ほどで身の詰まったウニになることもあります。

+ ウニの飼料要求率(FCR)はどれくらいですか?

飼料要求率(FCR)とは、1kgの商用となる製品を生むために必要な飼料量をkg単位で示す参考値です。 畜養ウニの場合、空のウニから市場に出回るような実の詰まったウニを1kg生産するために、0.4kgの飼料が必要となります。ナショナルジオグラフィックによると、サケのような魚は1.1kg、ブロイラーの鶏は1.7kg、豚は2.9kg、そして牛肉は6kg以上が必要となるそうです。ちなみに、養殖クロマグロは、1kgの製品を生産するために28kgもの飼料が必要です。

+ 自然の海から、全てのウニを排除しようとしているのでしょうか?

いいえ。 ウニは、健全なエコシステムのバランスにおいて重要な役割を果たします。 私たちは、現状のウニの食害による磯焼けを解消し、健全でバランスのとれた生態系に戻したいと考えます。そのためには、まず、ウニの数密度を減らす必要があります。増加したウニは、他の生物が海底で生育する妨げとなるからです。 浅い水域にいるウニを取り除くことにより、海藻の森が戻ります。多方面にわたりよい影響がもたらされるよう手を差し伸べたいと思っています。

+ 浅瀬にいるウニ全てを捕獲するとどうなるのでしょうか?

ウニは、海の浅瀬と深い水域、両方に住んでいます。 弊社の計画は、海藻の森の再生に妨げとなる浅瀬のウニを獲り畜養することです。 深い水域でウニを獲る計画はありません。深い水域には日光が届かず、そもそも海藻が育たない環境のため、深い水域でのウニ捕獲では生態系の回復に還元されないからです。

よって、私たちがもし浅瀬にいる過剰なウニの除去に大成功したとしても、まだ大量のウニが深い水域で待ちわびています。このため、海藻の森が戻り、捕食種の住処となることが非常に重要となるのです。 再生した海藻の森に移ってくるカニ、魚類や微生物がウニの幼生を食べることで、磯焼けの拡散を防ぎます。そして、捕食者が成長し、より大きなウニを食べることができるようになれば、弊社の「最強のウニの捕食者」としての役割は小さくなります。 私たちの最終ゴールは、必要のない者になること。 そして、海藻の生態系を戻したいと手助けを必要としている磯焼けに悩む地域に移動することです。

+ 磯焼けの原因は何でしょうか?

今日私たちが慎重に研究している多くの磯焼けは、人間の活動により引き起こされています。捕食種の乱獲や異常気象、海洋汚染が、ウニを爆発的に増加させた3つの主な原因であると考えられています。 日本、ノルウェー、そして地中海の磯焼けは、ウニの個体数を通常の状態に保つ捕食種の乱獲が相関していると言われています。一方、カリフォルニアやオーストラリアの磯焼けは、異常気象や海水温の上昇によると考えられています。

+ ウニノミクスはどのように二酸化炭素吸収に貢献していますか?

弊社では、いくつかの方法により二酸化炭素吸収に貢献しています。 まず、空のウニが取り除かれたとき、海中を漂う海藻の胞子が海底に着床し、急速に成長します。海藻は、本来、海洋に溶け込んでいる大気中の二酸化炭素と結合し、それを葉や茎、付着根に変えて自らを海底にしっかりと根付かせます。そのため、海藻の生育過程全体が二酸化炭素結合をしているのです。海藻の森に移動し成長する生物も、二酸化炭素結合の資源となります。

次に、そして、おそらく最も重要なこととして、海藻は、秋に葉を落とす木のように、少なくとも1年に1度自ら葉を落とします。しかし、地上と違い、落とされた葉はさまざまな場所へ流されます。地表へ流れ着き、沿岸の鳥や魚にとって貴重な餌となる葉もありますが、多くは、深い海へ沈み、沈殿物となります。ここで海藻は海底に埋まり、腐敗せず残ります。海底に堆積した海藻の葉に結合された二酸化炭素は、言いかえれば、大気から「吸収」されているのです。

+ 天然の魚介類は、よく重金属と関連していると聞きます。ウニはどうでしょうか?

重金属蓄積のリスクは、サメやマグロのような食物連鎖の上位に属する大型魚種で起こる傾向があります。これらの魚は、同じように重金属を蓄積する小さな魚を食すためです。 ウニのような食物連鎖の下位に属する種は、重金属を蓄積している他の生物を食べないため、結果、低リスクとなります。 重金属のリスク低減となるもう1つの要因は、弊社の畜養プロセスにあります。 私たちは、やせた空のウニを採取し、それを当施設で畜養しています。施設では、重金属を集積するリスクが低い海藻をメインに作られた配合飼料を与えているためです。

+ ウニノミクスは、ウニのバリューチェーンをどのように変化するのでしょうか?

ウニ業界が他の漁業とは異なるのは、売り手(この場合、漁師)も買い手も商品を開けてみるまで中身がわからないというウニの特性があります。 風味豊かな身がぎっしりと詰まった野生のウニ、苦くて色味の少ないウニ、空のウニ、そして、慎重に畜養されたウニ、どのウニも見た目は同じ、重さもほぼ同じであるため、ウニの取引は常に売り手も買い手も困らせる一種の賭けゲームのようなもの。 より事態を複雑にするかのように、ウニのバリューチェーン(ここでは、漁師、バイヤー、加工処理業者、流通業者)は、長い年月の間、情報共有の面で不透明の状態が続いています。そのため、不正行為の告発や、不信、紛争などに発展しています。

いまでは、商用価値がないとされてきた空のウニを畜養し、弊社の方法を使い一貫して給餌することにより、一定の色や風味、量の商品を生産することができるのです。常に一定の質や量が保たれた商品のため、一年を通して価格も一定となります。 生産統計を使い、商品(ウニ)を開けることなく、中身の状態を買い手や売り手に伝えることが可能です。これにより、推測ゲームを排除し、より透明性のある取引ができるようになります。

+ 海藻の森を磯焼けとしてしまうには、どれくらいの量のウニが必要となりますか?

一般的な調査では、1平方メートルに2匹以上のウニがいれば、海藻の森を磯焼け化してしまうのに十分だと言われています。 参考までに、カリフォルニアや日本、ノルウェーでは平均して1平方メートルあたり20匹以上のウニがいます。カナダ東部では、1平方メートルあたり500匹以上のウニがいる地域もあります。

参考::http://rstb.royalsocietypublishing.org/content/370/1659/20130269

+ ウニ市場はどれくらい大きいのでしょうか?

FAOによると、ウニの最大水揚げ量は1995年の10万8千トンでした。 しかし、2014年までにその量は7万トン以下になりました。世界水揚げ量の80%以上は、東アジアへ輸出されていると言われています。世界中でその量が減少する一方、世界各国での寿司や高級シーフードの人気により価格は高騰しています。 日本や中国近海で採れる一般品質のウニのむき身は、市場卸価格で1キロ1万2千円が平均、プレミアム品質ですと1キロ3万円になります。殻付きウニは、1キロ3千円で取引されます。

参考:http://www.fao.org/fishery/en

+ ウニは絶滅危惧になりますか?

簡潔に答えると「いいえ」です、しかし、実際にはもう少し複雑です。 食物連鎖の下位に属するウニは事実上、地球上のどこにでもいます。浅瀬でも深い水域でもウニを見つけることができます。たとえば、ノルウェーの科学者によると、同国の排他的経済水域には、控えめに見積もっても2億匹以上のウニが生息しているそうです。 5万トンを超えるウニを毎年捕獲しても、現存の生息数に大きなインパクトを与えることはないだろうと言われています。しかし、ウニの個体群は、海のとても深いエリアにも生息できるなど非常に広範囲に渡るため、実際、生息数を科学的に推定することはとても困難を極めます。

しかし、ダイバーの手の届くところにあり一定の質を保つウニの量は、乱獲や異常気象、そのほかの要因により急速に減少しています。そのため、容易に届く範囲にあり、天然で身入りの良いウニは減少しています。したがって、質問の答えは、やはり「はい」です。 これは、価格が急激に高騰しているにもかかわらず、FAOの漁獲統計量が減少していることからもわかります。ただ、これは、ウニの個体群が減少し絶滅を危惧しているということではありません。

弊社では、政府や規制当局、科学者、海洋管理協議会のような第三者機関と協力し、世界中のウニの生息数をより詳しく定量し、ウニの生息数が減少しているというウワサの真偽を確かめております。

+ 海藻の森を磯焼けしてしまうウニは有害なのでしょうか?

いいえ。ウニが有害だとは思いません。逆に、私たちは、広範な生態系で重要な役割をはたしているウニに多大な尊敬の意を持っています。しかし、ウニによる磯焼けはウニの不規則な爆発的増加によるものですが、これらの多くは、初期の段階では人間の行動によって生じているのです。ウニを好んで食す捕食種の乱獲は、それにより食物連鎖全体に及ぼす影響を懸念せずに実行され、磯焼けを拡散する大きな要因となっています。また、地球温暖化の一因でもある前例にない量の二酸化炭素の放出は、ウニの幼生がこれまでなら死に絶えていたはずの長い距離を移動し、生き残ることを可能にしています。 世界中の多くの磯焼けの根本は、人間の行動に直接起因しています。謙虚なウニのせいにするのは誤りというだけでなく、実際の原因から目をそらすことになりかねません。

+ ウニノミクスの提携パートナーは商業団体だけでしょうか?

弊社は、あらゆるタイプのパートナーと協力して活動しています。 商業団体様とのパートナーシップは、弊社の活動にとって大変重要な役割を担っています。それに加え、政府や科学者、慈善団体、非営利団体、環境保護団体、先住民コミュニティーと活動できることに大変な誇りを持っております。 それぞれ違うタイプのパートナーがいて、それぞれの組織や文化など独自の特性を重んじながら協力することが大切だと考えます。そのため、パートナーの状況に合わせ、弊社のモデルの調整、適応させるため最善を尽くしています。

+ ウニノミクスはどのように始まったのでしょうか?

2012年秋、ノルウェー政府は、2011年の大震災による津波ですべてを失った日本の漁師の代表団をノルウェーに招待し、どのようにノルウェーと日本が協力して漁師の自立を手助けできるか視察してもらうことになりました。 この訪問で、当時カストン社のイノベーション戦略ダイレクターだった武田は、津波被害にあった宮城県のウニ漁師、髙橋栄樹さんと出会いました。武田は、髙橋さんより、津波によって(人間を含む)主要な捕食者が洗い流され、ウニの爆発的増加につながり、海藻の森を埋め尽くしてしまう、と聞いたのがきっかけとなりました。

科学者らはこの観察を検証し、2011年の津波以来、ウニの数が7倍に増加し、この地域の沿岸生態系に深刻な被害をもたらしていると結論づけました。2013年、武田は、ウニの畜養に関わるさまざまなグローバル技術権を確保。ウニノミクスの基礎となるものを構築しました。Nofima(ノルウェー国立研究所)によるウニの飼料もその1つです。

2014年までに、武田と髙橋さんは、宮城県で、初めての空のウニ畜養に取り組み、商用価値のある製品にすることに成功しました。偶然の賜物ではないと証明するため、2015年再び挑戦、もう一度成功を手にすることができたのです。 十分な実証を手にし、武田はカストン社の100%子会社としてウニノミクスのコンセプトを確立。2016年末、ウニノミクスは独立した会社として誕生し、武田とオランダの投資グループが一部出資者として参加。2017年夏には、武田とオランダの投資グループがカストン社の株を購入、同社を全面買収することになりました。